カラー・ハンティング

前回東京に来た時にまだ始まってなくて観たかった企画展。クライアントさんにも「色については勉強になるから」とつきあっていただきました。建物の21_21 DESIGN SIGHTはあの安藤忠雄さんの設計。入ってすぐ目につく長〜い一枚板のガラス窓。ど〜やって作ってどうやって運んだのか??(だってこんなに大きい長いものを運ぶトラックなんてないぞ)このヒトの設計はナゾな困難?が多くあって、建築に携わる方々はさぞ大変だったことだろうと思う。

それはそうと。色はデザインとは切り離せない必須の要素。私もデザインする上で色についてはかなり悩む方です。なので普段から雑誌などでキレイな色があったりセンスの良い組み合せなどを見つけると、カラーチップで近い色を探してイラレに登録し、それを参考にデザインに流用したりします。こういうのも「ハンティング」と言ってもいいのかな。

これを見てなんとなく学生時代を思い出したり。デザインの専門学校だったんですが、入って最初の課題が「白から黒の間の色を100色作る」というものだったのです。これが簡単なようで難しい。今ならパソコンで100色以上作るのも可能ですが、当然ながら絵の具で手塗り。2色の間の色を作ってそのまた間の・・・と言うほど簡単なものではなく。一発OKの出た生徒はいなかったと思う。優秀なヒトは2度目で、私は確か4度目の提出でなんとか仕方なく、でOKだったと思います。白と黒の絵の具で何日格闘しただろう・・。

色々と悩む「色」なのですが、微妙に違う色が一同に並んでいるのを見るとけっこう楽しい。同じ色でも光の加減や様々な条件によっても違うし。「365日分の空の色」ひとつとして同じ色がない。染める水の質によっても色の出具合はまるっきり違う。「色から音をつくる」というような試みもあり、これもまた発想の違いと言うか、概念に留まらない物づくりの姿勢が学べたような気がします。迷ったら少しズレてみる、違う視点に立ってみる、というのも案外良い結果をもたらすものだよな・・と色々な「色」を見ながら思ったりもしたのでした。