写真と格闘す

前回のハナシのオマケです。

写真というのは印刷用でもWEB用でも、カメラマンが撮影したそのままをポンとはめ込む、というのはまずありません。色調補正や解像度、用途に応じて切り抜いたり合成したり、というのがあります。しかも1カットに付き何枚も撮影しているので、選定するのも大変。カメラマンによっては予めピックアップしてくれていたり、修正をしてくれる方もありますが、何もせずに撮影したもの全てをDVDでポーーンと放り込まれるのがほとんど。カット数が多くなると、写真の選定だけで半日以上かかったりします。

カタログ用の写真なんかだとブツ撮りが大半なので、そういうのは全部キリヌキの作業をしなきゃいけません。去年の今頃かなぁ・・お箸の写真を80カットくらいキリヌキしたのは。カタチは単純ですが延々と地道な作業です。いつだったか「藁細工」をキリヌキしたときは気が狂いそうになりました。日本の伝統工芸みたいのは結び紐とか水引とかやっかいなのが多いのだよね。複雑なカタチの木の葉とか枝ぶりにも泣かされる。チャンネル機能を使うとかテクニックは色々あるんだけど、結局地道にパスを切るのがキレイで確実にできると思っている。私ってホントにデザイナーなのか?とも思うのだが、それをしないと先へ進まないので仕方ない、必要不可欠な作業なのである。

写真を合成することもけっこうありますね。コラージュとかじゃないですよ。イメージを合成で作るのは別にして。建物にかかってる電線を消すとか、天気が悪かったから青空と合わせる、というのは日常的なこと。人物の集合写真では全員がベストショットじゃないから何枚も使って全員の顔を良い状態にする、なんてのも。「この横向きの顔を正面にしろ」みたいな無茶なハナシ(写真が1枚しかないのに、ですよ)も聞きますが、私はまだそこまで言われたことはないかな。料理写真で特定の素材を消すとか、小鉢や皿を消すとか、一品料理を集めて集合にする、なんてのはありますが。先日は「水に浸かってるトマトを人参にかえる」ってのやりました。ネタバレですが。そうしたらクライアントさん、「おぉースゴい!えらいえらい」と言ってアタマをイイコイイコしてくれました。なんなんだ。

でもね。実は写真の合成、けっこう好きです。画像が不自然なくびしっと決まると快感なのよ。言われてもわかんない、くらいの。ありえないイメージをキレイに作るのも楽しいですね。そっちの方がデザインぽいし、おもしろいものができたりする。

これは以前に遊びで作ったお花と水面の合成。カタチはイマイチだけどね。たまになんかに使えないかとこんなの作ったりもしてますよ。