直島・家プロジェクト

「角屋」

直島2日目。前日に引き続き安藤建築に携わった建設施工会社の方の講演会の後、家プロジェクトの見学へ。実は今回参加したのはこれを見たかったのが大きいのです。
古くなった建物を修復するだけでなく、それ自体を活かしたアート作品として再生するプロジェクト、外観からは想像もつかない世界が展開されています。現在公開されている7件のうち予約が必要な「きんざ」以外の6件と、来年3月オープン予定の安藤ミュージアム建設予定地をベネッセの方のガイド付きで廻りました。(猛暑は過ぎたと言ってもまだまだ暑い・・・私個人で行ったら絶対に迷ってムダに動くところ)

「はいしゃ」

どこもとても面白かったのですが、まず良かったのはプロジェクトの始まりとなる「角屋」。築250年という建物がこれほどの保存状態を保っているのも驚きですが、内部にはプール(!)があり、水底でデジタルカウンターが色とりどりに点滅しています。これは町民125人が思い思いの速度設定で設置したそうで、まさにアーティストと島民が一体となった作品。

それから外観も内部も面白い「はいしゃ」。「歯医者」「廃舎?」を掛けている?という話をされたような。中には自由の女神像がありその王冠部分が2階の窓からチラリと見えていたり、船の模型があったり様々なスクラップがあり遊び心に溢れた建物です。

「南寺」

そして特筆すべきは「南寺」。安藤忠雄設計の木造建築にジェームズ・タレルの作品が収められています。と言っても、内部に入ってすぐは何も見えず真っ暗。これは実際に行って観るしかない、体験した人にしかわからない、光について改めて考えさせられるスゴい作品。「光を発見していくプロセス」は感動ものでした。

家プロジェクトが点在する昔の古い街並エリアにはカフェやお土産屋さんなどがあり、時間があればゆっくりとアチコチ立ち寄りながら楽しみたいところ。このプロジェクトが始まってから、島にはカフェをやりたいとか作品を作りたいという人が多く来るようになり、そういう方は圧倒的に女性が多く、島のじーさん方がとても元気になったんだそうな。マ、マジでっ!!町を活性化させるということは、こういう効果も生み出すんですねぇ。

小さな島ですが、見どころはいっぱいあって1回では全部廻りきれない、とても楽しい2日間でした。見学の前の講演会では隣の島にある豊島美術館の「柱も継ぎ目もないシェル構造」の建設過程を話されたのですが、これもぜひ行ってみたい。「瀬戸内国際芸術祭」が、来年開催されるようです(これは瀬戸内の島々だけでなく高知・岡山と広範囲のようですが)。その頃には安藤ミュージアムもオープンしているはずだし、今回できなかったカフェ巡りもしてみたい。こんな小さな島でこれだけのことができるのはスゴいし、まだまだ変わっていくと思う。行くたびに新しい発見がありそうで何度でも行ってみたいところです。